令和2年度 修了式

 3月19日(金)修了式が行われました。修了式に先立ち秋田商業高等学校創立100周年のキャッチフレーズ優秀賞2A桧山優希君、100周年記念アリーナ正式名称命名2D中野宏宣君に記念品が贈られました。

 引き続き賞状伝達式が行われ、今学期に受賞した各部の賞状伝達を行いました。レスリング部2年C組山下修誠君が代表として表彰されました。

 表彰式に引き続き修了式が行われ、校長の山脇聡先生から「おはようございます。この体育館に1年生2年生が集まったのは今年度初めてです。3月3日に238名の卒業生を送り出したときも3年生だけという非常に悲しい1年間でした。

 まず第一に、同じことの繰り返しですが、まだこの新型コロナウイルスは油断できません。部活で遠征等が始まっていますが、手洗い、うがい、マスク、そして3密の回避、手指消毒、自分でできる予防対策は全て完璧に行って、また4月から学校が臨時休校、部活動禁止ということにならないように一人一人が気をつけてください。

 2点目は、2020年度、皆さん嫌というほど聞いたかもしれませんが、秋田商業は1920年、大正9年に創立した学校です。したがってこの2020年度は創立100年の記念すべき年でした。今年卒業した3年生が記念式典を立派に行って卒業するはずだったのですが、その大役が今の2年生、来年度の3年生に回ってきます。令和3年9月11日土曜日に創立100周年記念式典並びに記念講演会が行われます。2年生は立派にやり遂げてください。それに伴ってお話をします。秋田商業高校、この100年の歴史は決して栄光の歴史ではありませんでした。歴史の流れの中で校舎を没収されたり、間借りの校舎であったりしました。昭和20年太平洋戦争が終了した年、秋田商業高校は廃校の危機にありました。商業なんかやってられない、もっと軍事に力を入れなければならないという情勢でした。ギリギリの所で廃校を免れ、茨島の仮校舎で授業を行っていました。そんな状況で授業を行ったものですから入学者がほとんどいませんでした。それで我々の大先輩が1948年、昭和23年にスポーツ再建10カ年計画を打ち立てて、なんとか10年の間に全国大会で優勝する部活を作ろう。生徒が頑張っている姿を見れば、秋商OB も秋田市民も秋田県民もまた秋商に目を向けてくれるのではないかということで始まったスポーツ再建10カ年計画です。1955年、昭和30年に剣道部が全国制覇します。また10カ年計画の最終年度、1958年にサッカー部が東北の高等学校で初めて選手権大会で優勝しました。ここから秋田商業が勢いづいたということであります。スポーツ再建計画というのは、ただ運動してればいいというものではありませんでした。まず一つ目が厳しい授業。この授業についていかれない者は部活には出さない。厳しい授業と厳しい部活の練習、これによって精神の鍛錬、頭脳の鍛錬、体の鍛練。このような人づくり教育を作り上げてきたのが秋商の伝統です。皆さんもその伝統を忘れずに部活で、あるいは授業で皆さんのもてる力を出しているのか真剣に考えてください。部活だけやってれば良いという間違った考えを持ってはいけません。授業で50分間集中できない者は試合で集中力を出せるはずはない。相手の動きを読めるはずはない。頭を使わなければ勝てない。授業中に集中できない生徒がいる中での創立100周年には意味がない。そんな100周年は考えられない。

 もう一点、天網恢々疎にして漏らさずという言葉があります。この言葉は自分がどんな行為をしたかをお天道様は見ている。例えば嘘をついたり自分を守るために人を傷つけたり、そういう行為を必ず天は見ている。嘘は必ずばれていつか自分に跳ね返ってくるということです。

 今年の生徒を見ていると本当に一部の生徒ですが、残念なことに自分の立場を守るために嘘をついたり他人を傷つけたり、あるいは学校の先生に言うことや保護者に言うことが違っていたりして、物事を複雑化にして、素直にあやまれずに自分を苦しめているという非常に残念なこともおきました。厳しいことを言いましたが、嬉しいこともありました。卒業した3年生がバス停で倒れている老人を助けて、名前も言わずに去って行った。きっと秋商の生徒だとお礼の連絡がありました。

 1930年、昭和5年に秋商創立10周年記念式典が行われました。その中で初代校長黒沼義介先生が次のように述べています。思うに商業科は時代に適応した商業教育を施すにあり、しかも単に知識のみでなく人格教育がその中心でなければならぬ、我々はますます研鑽、研修を積み秋田のために大いに活躍すべき任務を有している。ちょっと難しい言葉ですがこの言葉の中に校訓の感謝、勤勉、鍛錬に込められた秋商の人格教育が入っているように私は思います。私たちは「秋商」で結ばれた「縁」に感謝し、肉体の鍛錬、知識の鍛錬、心の鍛錬を惜しまず、それぞれが使命、志を次の世代へ引き渡す覚悟を定める機会が「秋商創立100周年記念式典」の意義であると考えます。

 繰り返しになりますが、100周年記念式典の前に今一度、全校生徒で、自分の足元をみつめ、学業をおろそかにしていないか、対話と尊重の念を持って他者と接しているか、独りよがりのことをしていないか、授業や部活動では「心の鍛錬」「体の鍛錬」「頭脳の鍛錬」を目標に全力で取り組んでいるのかを皆さんに問い修了式のあいさつとします。」

という話がされました。

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