令和2年度 退任式・離任式

● 3月24日(水)人事異動により校長先生がご退職ならびに8名の先生方がご転出されることになりました。

(退職者)

  山脇  聡 校長先生

筒井教頭が退職される校長先生を紹介した後、お言葉を頂戴いたしました。

 式が始まる前に観てもらったのが、「香りある人生を」という楽曲のミュージックビデオで、コロナ禍で、大会も行事も何もできなかった3年生への卒業ソングとして、高58期、平成19年3月の秋商卒業生、柴田トオル君の企画でできあがったものです。

 私もちょっとしたことから、作詞を担当する事になり、皆さんが持っている詩を作りました。

 コンセプトは卒業生応援ソングですが、私の頭の中には、一部の生徒同士の、くだらないことで、言い争ったり、憎み合ったりしている場面をみて、なんで「一言、ごめんなさい」が言えずに、自分を守るために平気で「嘘」をつくのだろうというやるせない気持ちも、詩の一部に入れました。

 この楽曲はすべての生徒に捧げる歌として創り上げたものです。

 在校生は参加できませんでしたが、3年生を送る会では、柴田君が生で歌ってくれました。その場面も含めたビデオですので、私の退任式で先生方に我が儘をいってミュージックビデオを流してもらいました。

 さて、私はかねがね、一人の生徒が、勉強と部活動の二つのことを、3年間、心を込めてやりきるのが、秋商スタンダード、秋商1・2・3という事を言ってきました。

 この秋商1・2・3をやり遂げた後に残るのは「人間としての成長」です。

 例えば、この応援ソングの企画を立ち上げた、柴田トオル君は家庭の問題で、すこしばかり、やんちゃな生徒として、秋商に入学してきました。

 職員室の掃除当番の時、職員室に入ってきた姿が不適切で、当時の先生に廊下に連れ出され、とても厳しい指導を受けました。

 また、柔道部の顧問の先生の厳しい躾教育と練習、また、授業でも多くの先生方が、彼の抱えている内面を理解したうえで、わかりやすい授業と厳しい課題で彼と裸の心で対峙しました。

 その成果が、全県総体優勝、インターハイ出場、中央大学進学という目に見える形で人間としての成長をわれわれ教職員に見せてくれました。

 このような経験を積んできたからこそ、彼の企画に多くの人が共感し、ミュージックビデオの作成には、県立大学の鈴木竜也君、秋田美術大学の伊藤達也君が関わってくれました。

 また、ABSラジオの利部制作部長がこの制作過程をドキュメンタリーとして作ってくれました。

 さらには、CD制作にあたり、タイトル文字は書道家の長澤薫先生、CDデザインには河原崎優奈さん、ロンドンで仕事をしてきた録音ミキサーの小林けいさんなど、とても素敵で豪華なメンバーが結集をしてくれました。

 つまり、秋田商業で勉強も部活も自分を偽らずに、やりきったからこそ、柴田トオルの名前のものに、多くの人たちが、経済的な価値を求めるのではなく、人間の関係資本、信頼資本のもとに集まってくれたのです。

 秋田商業で学ぶという意味は、この人間としての信頼資本をどう作るかという人間そのものを学ぶと言うことです。

 この一点を、心に刻んで「頭の鍛錬」「心の鍛錬」「体の鍛練」を積み重ね、皆さんが必ず立つ場所、

 甲子園には早稲田カラーの秋商ユニフォーム、

 正月のピッチには秋商の文字、

 インターハイの各会場も秋商のユニフォームで活躍してください。

 また、秋田県唯一の商業高校ですから、資格試験も含めて、文化部の活性化も図る必要があります。先生方は、今年よりももっと分かりやすい授業を、情熱をもって指導してくれますので、先生方を信じて鍛錬を続けてください。

 もし、この楽曲を聴き、歌詞をみて、心に残ることがあれば、Youtubeで「香りある人生を」を検索すれば、観ることができます。

 皆さんへの応援歌です。「感謝」「勤労」「鍛錬」を心に刻んで聴いてみてください。

 修学旅行も学校行事も何もできなかった皆さんへのプレゼントです。

 目に見えない「人の心が理解できる」誇り高き秋商生が、あらゆる場面で活躍し、香りある人生を送ることを期待して、退任の挨拶とします。

(転出者)

  松岡 正利 教頭先生

  大関 由理 先生  野呂 耕一郎 先生  近野 祥子 先生  山田 雅弘 先生 

佐藤 俊平 先生  岩田 朗子 先生   杉村 美香 先生

転出される先生方からお言葉を頂戴いたしました。

松岡 正利 教頭先生は、「私は、仕事をする上で、『汝なんのためにそこにありや』ということを自分に問いかけています。意味は、『貴方は、何のためにそこにいるのか』ということです。4月を目の前にしていますが、君たちの目標を思い出し、『自分は、なぜ、この学校に来たのだろう。この学校に来た目的は何だったのだろう』ということを確認して生活をしてください。」と激励してくれました。

大関由理先生は、「秋田商といえば『あいさつ』というイメージがあります。この11年間、様々な場所で元気な『あいさつ』をしてくれました。そのため、『挨拶のできない人は、秋商生ではない』というのが持論です。コロナ禍の中で秋商生のよさが無くなってきているように思います。今一度、秋商生らしさを意識して生活してください。」と、お話をしてくださいました。

野呂耕一郎先生は、「時間には限りがあります。高校生活もあと1年もしくは2年です。その時間もあっというまに過ぎ去っていくかもしれません。時間を大切にして、自分の目標や夢を達成できるように頑張ってください。」と、お話をしてくださいました。

近野祥子先生は、「これから『考える力』を身に付けないと、流れに乗り遅れるような時代になってきています。また、言葉をたくさん覚えてください。どんな言葉を使えばよりよく伝わるのか、どんな言葉を使えば、相手が傷つかずにすむのかを考えるようになります。それは、人間関係を豊かにすると思います。」と、お話をしてくださいました。

山田雅弘先生は、「何かを選ぶ時には、『安易な道ではなく、厳しい道を選べ』ということが大切だと思います。道場に乾坤一擲という言葉があります。意味は、天と地の運命をかけて人生一回の勝負するように集中せよということです。君たちは無限の可能性を持っているので、たじろぐこと無く人生を切り開いてください。」と、お話をしてくださいました。

佐藤俊平先生は、「今年度は、コロナ禍の中で思うような人生を送る事ができなかったのでは無いでしょうか。今年度、秋商OBが作曲をしてくれたタイトルは、『香りある人生を』でした。君たちも香りある人生を送れるように頑張ってください。」と、お話をしてくださいました。

山脇校長先生をはじめ、先生方には大変お世話になりました。

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